着地型体験プログラムとは、行ったその地でできるさまざまな「体験」のこと。
ま、そのままですが….
そもそも、「着地」という言葉は旅行業界特有の言い方だと思います。「着地」に対する言葉は「発地」。発地は出発地で着地は到着地。発地型旅行は(そんな言い方するのかな)、地域で人を集めて「ディズニーへ」とか、「ハワイへ」みたいなスタイルの旅行を指します。それに対して近年よく使われる「着地」は到着したその地を表します。
日本のほとんどの旅行会社は「発地型」=送客、で商売しています。旅の目的が主に宿泊の場合は交通費、宿泊費の手数料が旅行会社の主な儲けどころとなります。加えて現地での蒲鉾づくり体験とかの手数料もあるとは思います(でも、もらえて一人二~三十円とかかなぁ)。
近年よく耳に知る「着地型」は自分たちの地域に来てもらうことを指します。
「着地型」で商売をするなら旅行会社は地域の魅力を把握し商品化する必要があります。
私が初めて「着地型体験プログラム」を経験したのは2006年のことです。
場所は三重県紀南地域。前鬼川(ぜんきがわ)という川を遡上するツアーでした。前鬼とは役行者の弟子?となった鬼の名前で奥さんは後鬼(ごき)と言ったとか。
その鬼の名前がついた川をガイドさんと一緒に遡上するわけです。
川の水は驚くほどキレイ。静かな山に川の音だけが響く岩肌やナメラを、山のこと、動物のこと、水のこと、鬼のことを話すガイドさんの後を頷きながら登っていきました。
いま、調べてみると、保険料、装具レンタル込みでツアー料金11000円で売られていました。
17年経って、だいぶ商品として固まったのだなぁと言うのが印象。
今も各地でいろいろな着地型体験プログラムが生まれています。作る側も受け入れる側も、こうした文化がなじんでいけば旅行はさらに深みが増すと思います。