2017年3月に海の京都の着地型体験プログラムを200商品納品しました。海の京都とは京都府北部の呼称です。
着地型体験プログラムとは、現地に行ってこそ楽しめるレアな体験全般を指しますが、役場を退職された方が教える竹輪づくり体験みたいなのは入れていません。その基準は「プロフェッショナルと同じ現場で同じ時間を共有」できるかどうか。
(まぁ、最後の方は数合わせみたいなこともしましたが…)
具体的な開発の流れは、
地域の顔役や声の大きい人と仲良くなる→面白いことやってる人を紹介してもらう→目当ての人と実際に会って話して体験して、プログラムになるか、商品として面白いか吟味する。できなければどうすれば商品になるかアドバイスする。催行できるスケジュールとか参加者の服装とか集合場所など決める→料金(上代と下代)を決定し話合た結果を一枚のシート(タリフ)にする。
けっこう手間のかかるもので一商品につき2〜3回会わないと前に進みません。もちろん全てのプログラムのために現地に出向きました。
その時から「これをウチが販売する」ことを考え始めましたが、一商品平均5000円として販売手数料を10%もらったとして一商品につき利益500円。200商品が一ケ月に一回売れるとして10万円の利益・・・
これでは商売にならんなぁ
しかもオンラインで販売するにはそのシステム作りで何千万円かかるか・・・
すっかり諦めていました。
それでも、ことある度に体験商品の販売を意識するようになりました。
当時から体験販売ではアソビュー(現JTB傘下)のほか体験をギフトにしたソウエクスペリエンス等いろいろありましたがやはりダントツはアソビュー。〝あれと同じことをしても追いつけない。〟そうこうしているうちに各地でDMOがどんどん出来ていきました。同時に観光協会の法人化も盛んに行われ、観光協会の法人化=自走化という言葉も聞かれるようになりました。
自走化するということは、何かを売って利益を上げる必要がある。でも当の協会側にその危機感は皆無。(のところが多かった)
「役場の職員はいいけど、プロパーのスタッフは給料上がらへんやん」
そこで、観光協会が我が土地の観光商品を売りやすくできるサイトをサブスクリプションで販売する方向に変更しました。
しかし、思い立ったものの、見積もり金額はとてもホイホイ支払えるものではありません。
手弁当でシステム構築とはなにかを教えてくださる人を見つけ、少しずつ内容を詰めながらソフト開発のイロハを学ぶことからはじめました。また、観光協会へのヒアリングも同時に実施し始めました。
そんなことに時間を費やしているところに新型コロナの波が観光産業全体に容赦なく押し寄せ、サイトどころか自社のレギュラーの仕事さえ引き潮にさらわれてしまいました。
ただでさえ売上が下向きになった時期に始まったコロナ禍・・・
URATABIはいくつもの計画書に書き直され、金融機関との交渉や投資家にプレゼンするための資料となっていきます。お金がない奴は事業をするなってことか・・・