飽きる・忘れる・新しい
広告代理店の営業マンだった20代の後半、元々女性誌の広告扱いが主な仕事でファッション関連のクライアントが多かったため、マリクレール、ギラロッシュ、トラサルディ、エンリココベリ、ハンティングワールドなど世の中のブランドのトレンドを(強制的に?)勉強させられていた。
その時、「ファッションは新規性と言うけれど、実は、ある頃の焼き直しなのでは」と思うようになった。
時代背景を見ながら、今はこのカタチがはまる、とか、この色がくる、などファッションプロディーサーは丁寧に探り当て、次のトレンドを「決める」のだと感じた。
ある人は、「色は皮から決まる、皮の染色に一番時間がかかるから」なってことも言っていた。
「飽きる・忘れる・新しい」はその頃から勝手に、自分で唱えていたワードだ。
でも、周りを見ると、ファッションに関わらず、意外と〝流行りモノ〟はこのサイクル通りだなと感じることが多い。
レトロカルチャー、ミニ四駆、韓流ドラマ、アウトドア、セーラームーンなどなど・・・
ブーム再来は、少し形を変えたり、何かと融合したりしながら、「新しい」って思わせておいて、でも、これってたしかあの時流行ったヤツやん。ってことが多い。
人は必ず飽きるし、飽きたことも忘れるくらいの時間地下に潜っていて、突然再来する。
「時は流れない、それは積み重なる」とはよく言ったもので、程よく熟成され、新しさをまとってブームをかっさらうものみたいだ。
しかし、このAI時代、人が忘れても機械が覚えているから、ブームの作り方も難しくなるのかな。