地域プロモーションは行政が請け負うことが多いです。
宿泊施設は周辺の観光ポイントを自社のホームページで紹介することはあっても広域ではやらない。
どの施設も自社への集客が最重要課題ですから、当然隣の施設はライバルでもあります。広範囲の観光ルート開発とか当たり障りない施設紹介は行政がになってきました。
ここで、困ったことの一つは、すぐ「情報発信」に走ることです。
気持ちはわかるし、その方が僕らも手っ取り早く儲かるのですが、果たしてそれでいいのかというと疑問です。
明らかに身内しか見ないだろうホームページ、観光動画制作、行政同士のフォローばかりが目立つ各種SNS発信、そして焼き直したパンフレット。すぐにそうしたものを成果として作りたがります。
結局、いくつかお手伝いさせていただいた「日本遺産」も情報発信だけで終わった感がありますよね。
(まだ、終わってはいないですね、失礼、でも、実際日本遺産を知らない日本人も多いので外国人に伝わる確率は二階から目薬を差して目に入れるより低いかも『笑』)
日本遺産って、遺構よりその事実が起こったストーリーに注目し、構成する文化財をつぶさに拾い上げるというなかなか凝った遺産なのですが、「ここでどんなことが起こったのか」を紹介するというちょっと伝わりにくい面も確かにあります。だからこそ根気強く〝ストーリーを整備〟することにチカラを注ぐ必要があります。
整備より「情報発信」をすることが仕事の終着点みたいに考えている節があります。
大事なのは「中身」でしょ
丁寧に取材し、他者との差別化を紡ぎだし、唯一無二を引き出す。
そして、ファムなどテストマーケを積み上げ、磨きあげる。
この作業が、まるっきり抜け落ちています。
これでは、田舎の価値が高まるどころか、「同じようなもの」と思わせる情報を発信するだけです。
しかも届かない。
情報発信の時期は、プランが熟してからで全然いいと思います。