いま、確かに地方には、地域振興とかインバウンドという名目で大きなお金が回っている。
僕らは、もう20年近く地域の観光振興に携わってきて、なんとなく流れが理解できるのだけど、近年はそのスピードがやたら速く、目まぐるしく、ちょっとついていけないこともある。
たとえば、観光コンテンツがあんまりない、ある田舎町に、けっこうなお金がついた。ポスターを作ってパンフレットを作って、イベントをして、ホームページをつくるのがミッション。
大きな代理店と制作代理店がワンツーで入って実作業のほとんどは半分ほどの金額でウチがやる。
だいたい、これが流れ。
しかし、発注されてから納品までは2ヵ月。
よくよく聞くと、そのホームページやパンフを実際につかう指定管理者は決まっておらず、まだまだ先。
幸い、納品が3月でなくてもいいとのことなので、期間内に完納したい代理店の意見をよそに、指定管理者が決まってその人たちの意見を聞いて作るのがすじだろうと、待つことにした。
だって、ゴミを作るのはもういやだから。
代理店を批判するわけではないし、町を非難するものでもない、ただ、使い道が明確に決まらないのに、しっかりした戦略を立てずにお金だけが回って、結局物だけ作って、納品する。
報告書のために仕事する、つまり報告書が一番価値があるような仕事は、やっぱりしたくないな。