昔、広告代理店をやめてから、生活のためにパンフレットの記事とかを書いていたころ、知り合いのライターから「カギカッコ(マルカッコも)の中で文が終わっても「。」は付けないよ」と教えられました。「そうか、プロは付けちゃだめなんだな」と、ずっと付けるのは間違いだと思っていましたが、子供の絵本を読んでいるとしっかり「。」が付いている。
どうやら〝どっちでもいい〟らしいです。
日本語ってたびたび「どちらでもいい」ものに出くわします。
法令、公文書、教科書、児童向けの読み物は「付ける派」で、新聞、雑誌や一般の書物は「付けない派」なのだそうです。
明治37年国定第一期の『尋常小学校読本』から「付ける方式」が採用されたのだとか。明治から戦中、戦後すぐあたりまでは「付ける派」が主流だったようです。
島崎藤村や芥川龍之介、太宰治などは「付ける派」で夏目漱石や谷崎潤一郎は「付けない派」だったとか。
ちなみに吉本ばななさんは現代作家でも数少ない「付ける派」なのだとか。