先日、初めて神戸・新開地の「喜楽館」に足を運びました。神戸は第二のふるさとと思いながらも、新開地にはこれまでほとんど訪れたことがなく、今回が初めての機会でした。目的は「落語」。知人の娘さんの旦那さんである桂三若さんの応援です。
喜楽館は約200席の小劇場で、この日はほぼ満席。二部構成で、それぞれ前座の弟弟子が演じた後、三若さんが短めの噺を二席披露。一度休憩を挟み、後半も弟子の一席と、本人のトリで締めくくられました。桂三枝(現・文枝師匠)の弟子らしく、創作落語が持ち味で、会場は終始笑いに包まれていました。
意外にも喜楽館の歴史は浅く、2018年夏にオープン。神戸唯一の寄席ですが、新開地はかつて西日本一の歓楽街として賑わった大衆文化の発祥地。1905年にさかのぼるその歴史は、戦争による荒廃、主要機関の移転、阪神・淡路大震災を経て二度の復興を遂げました。一時は「怖い・汚い・暗い」の3Kと呼ばれた時期もありましたが、現在は再開発が進み、明るい未来が期待されます。落語という文化が街の活性化の一助となることを願いながら、また足を運びたいと思います。
