先日、市長のFacebook投稿に触発され、本日芦屋美術博物館で開催されている「具体美術協会」の展示会を訪れました。戦後すぐから1972年まで活動した具体美術協会は、吉原治良を中心に芦屋で誕生し、やがて世界的に評価される美術運動へと発展しました。展示を目にすると、まず感じるのは「模倣への決別」という強い意思です。絵具を投げつけたり、紙を破ったり、従来の美術の枠を超えた表現は一見すると不思議で理解に時間を要します。しかしその「不思議感」こそが、戦後の閉塞した時代に新しい可能性を切り拓いた証であり、世界で高く評価された理由でもあるのでしょう。
改めて思うのは、この運動が遠い海外でではなく、まさに芦屋という地から始まったという事実です。私の日常の延長にある場所から世界に羽ばたいた芸術。その歴史を辿ることは、単なる美術鑑賞を超え、地域の誇りを実感する体験でもありました。芦屋市民にとって具体美術協会はまさに「芦屋の誇り」と呼ぶにふさわしい存在だと思います。展示は今月31日まで開催されています。まだご覧になっていない方には、あと少しですが、ぜひ足を運んでいただきたい内容でした。
